我が家では家計簿とあわせて家計のBSも作成している。収支状況だけでなく財政状態も管理してはじめて財務管理と呼べるのだ。
BSの作り方は単純だ。全ての金融資産と金融負債をそれぞれリストアップするだけ。資産合計と負債合計の差額が純金融資産だ。しかし、正しく作成できている他人の事例を見たことがない。
金融資産には銀行口座残高に証券口座残高、idecoのほか、貯蓄性のある生命保険の解約時返戻金、退職金DC、退職金DBもリストアップする。
金融負債にはローン残高のほかに、クレジットカードの使用残高を「未払金」として計上。信用取引をしている場合は、建玉額だけでなく、建玉に係る諸経費(金利・管理費・権利処理手数料等)の額も未払費用としてきっちり計上する。
さらに、売却時に課税対象となるキャピタルゲイン部分に対しては、かかる税金を計算して「繰延税金負債」として負債計上する。これを税効果会計と呼ぶ。
「我が家のBSを作ったぞ」という人で、信用諸経費の未払費用計上、キャピタルゲインに対する税効果会計を計上している人を見たことがない。本当の純金融資産はこれらをきちんと計上して初めて分かるのだ。
資産が増えるにつれ、残高把握の作業は時間を要すが、私は、プログラミングのWebスクレイピングを駆使して、我が家のBSを毎日作成している。
